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2024.3.3(最終更新日:2024.8.5)
<電気通信>携帯電話と衛星通信の仕組みと特徴について解説
多元接続方式(DMA)とは?
一つの通信路を複数のチャネルで共有して同時に通信する方式のことで、特に、携帯電話などの無線通信において、同一の周波数帯を複数の機器などで共用するための技術を指します。
有線通信では複数のケーブルを使ってそれぞれ別の信号を流すことができますが、無線通信の電波は同一空間内では共有の資源であるため、複数の機器が同時に通信したい場合は混信を防ぐため多元接続方式で分割して割り当てを行うことで通信しています。多元接続方式の種類
多元接続方式を意味するDMAに対し、頭文字に分割の方式を意味するアルファベットが付きます。
FDMA(F:Frequrency/周波数)
免許された周波数帯域をさらに分割して各チャンネルとしてユーザーに割り当てる方式
アナログ変調のため周波数を合わせると音声が聞こえる。TDMA(T:Time/時間)
1本のキャリアを時間軸方向に分割して各ユーザに持ち時間を分配する方式
2G(第2世代の携帯電話)で使用されていた。CDMA(C:Code/コード)
免許されている周波数帯域いっぱいにスペクトル拡散を行う方式
デジタル変調でFDMAよりも秘匿性が高く干渉を受けにくい。RAKE受信により受信品質の向上が図られている。
隣接基地局へのハンドオーバ(通話中の携帯電話が隣のセルに移動しても通話を継続させる機能)が容易である。
3G(第3世代の携帯電話)で使用されていた。OFDMA(OF:Orthogonal Frequency/直交周波数)
LTEの下りの多元接続方式で、上りはSC-FDMAが採用されている。
衛星通信
外国との通信など、物理的に有線回線を敷設することができない場合には、主に人工衛星を中継した衛星中継回線で通信を行っています。
衛星通信の用語の解説
トランスポンダ
地球からの電波を受け、周波数を変換して増幅し、再度地球に送る中継器
端局装置
復調された信号をもとの信号に戻して、地上回線に適した信号に変換する装置
太陽電池パネル
太陽光のエネルギーを電力に変換し、通信衛星の電源に利用する装置
アップリンク
地球から通信衛星へ電波を発すること
ダウンリンク
通信衛星から地球へ電波を送ること
通信衛星の仕組みと特徴
・静止衛星は、赤道上空およそ36,000kmの円軌道を地球と同じ周期(約24時間)かけて周回する。
・1基の通信衛星で地球の1/3をカバーできるため、3基の通信衛星を120度間隔で配置すれば、北極・南極を除く地球の大部分を網羅できる。
・衛星を見通しできる場所であれば山間部や離島でも通信できる。
・1台のトランスポンダを複数の地球局で同時に利用するために多元接続が使われる。
・通信衛星には、電波の窓と呼ばれる周波数1-10GHzの電波を使うことが望ましいが、割り当てのひっ迫のために、近年は10Ghzよりも高い周波数が利用されている。10Ghzより高い周波数は雨や水蒸気の影響を受けやすい。
・周波数が高いほど雨や水蒸気の影響を受けやすいため、送信電力を大きくする必要があるためアップリンク周波数よりダウンリンク周波数の方が低い。
多元接続方式は、衛星通信や携帯電話などの通信技術において、通信のパフォーマンス向上と未来への展望を切り拓いています。これらの進化は、ますますデータ依存型の社会において、高度なコネクティビティと通信の確実性を提供するために不可欠となってきています。