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  • 2024.2.18(最終更新日:2024.2.29)

    半導体とは何か/半導体の種類について解説

    半導体とは何か

    電流を通す物質のことを「導体」といい、通さない物質を「絶縁体」といいます。
    「半導体」は、これらの中間的存在であり、常温で動体と絶縁体の中間的低効率を持つ物質です。導体の抵抗率は、温度が上昇すると比例して増加しますが、半導体の抵抗率は温度が上昇すると減少します。
    半導体は、条件によって電流を通したり通さなかったりすることで、電気の整流や増幅、スイッチング等を実現しています。

    半導体素子は単一の物質ではなく、複数の物質、一般には電気的にプラスに傾いた物質とマイナスに傾いた物質の組み合わせによって構成されています。半導体の原料になる物質は、「4価元素」であるシリコン(ケイ素)やゲルマニウム等があり「真性半導体」と呼ばれます。真性半導体に「3価元素」や「5価元素」の物質(不純物)を加えたものを「不純物半導体」といいます。

    不純物半導体の例
    〇シリコン(4価) + ガリウム(3価) = P型半導体
    〇シリコン(4価) + ヒ素(5価)   = N型半導体
    〇P型半導体    + N型半導体    =PN結合ダイオード

    PN結合ダイオードは、電流はP→Nの一方通行で、電流を流すための運び手のことを「多数キャリア」と呼びます。
    〇P型半導体の多数キャリアは電子の到着を待つ「正孔」で、混ぜる3価の不純物は「アクセプタ」
    〇N型半導体の多数キャリアは電子(自由電子)で、混ぜる5価の不純物は「ドナー」
    〇PN結合面では、多数キャリアがほとんど存在しなくなる

    半導体の種類

    〇ホトダイオード(フォトダイオード)
    光信号を吸収して電気信号に変換する半導体素子で、光を検知する用途で用いられる
    PN接合部に光を当てると光の強さに応じた電流を取り出すことができる

    〇発光ダイオード
    電気信号を光信号に変換する特性を利用する半導体素子(順方向電圧を加えると発光する)

    〇トンネルダイオード
    一般的なPN結合ダイオードよりも不純物の濃度を高くした半導体素子で、高速動作が可能であることを利用して、マイクロ波からミリ波帯の発信回路に用いられる
    (ノーベル物理学賞受賞者 江崎玲於奈氏により発明され、エサキダイオードとも呼ばれる)

    〇定電圧ダイオード
    他のダイオードの性質同様、逆方向の電圧を加えると飽和領域と呼ばれる範囲ではほとんど電流は流れないが、飽和領域を超えると急激に電流が流れだす降状減少を生じる
    (ツェナーダイオードとも呼ばれる)

    〇ガンダイオード
    接合型ではなくN型半導体のみによるもので、素子に電圧を加えるとマイナス電極からプラス電極へ電子が高速移動する現象が反復し、この現象を利用して「マイクロ波の発信」に用いられる

    〇可変容量ダイオード
    加える逆方向電圧の大きさが変化すると、静電容量の大きさも変化する半導体素子で、この性質を利用してVCO(電圧制御発信機)等