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  • 2024.3.2(最終更新日:2024.8.5)

    <電気通信>光ファイバ通信とは?基本要素や特性について解説

    近年、情報通信技術の進化は著しく、その中でも光ファイバ通信は特に注目を集めています。光ファイバ通信は、情報を光のパルスとして伝送する先進的な技術であり、これによって高速かつ大容量なデータ転送が可能になりました。長距離配線が可能でノイズを発生させないという特性があるため防犯カメラシステムの配線としても活用されています。

    光ファイバ通信の基本要素

    光ファイバ通信を行うには、送信側で電気信号を光信号に変換し、受信側で到着した光信号を電気信号に戻す逆変換が求められます。このように、データを伝送する際に最適な電気信号に変換することを「変調」といいます。

    光通信の変調方式

    光通信の変調方式には、「直接光変調方式」「外部光変調方式」の2種類があります。

    直接光変調方式は、発光ダイオードや半導体レーザーなどの光源そのものを光信号に「強度変調」する方式のことで、ひとつの光源で発光と変調を行います。光源(光を出すもの)に対し、光を受ける受光素子としては、ホトダイオードが使われています。

    ポイント!
    発光素子(光源)・・・発光ダイオード・半導体レーザー
    受光素子・・・ホトダイオード

    強度変調

    電気信号の強さに応じて光の強度を変化させる方式のこと

    パルス符号変調方式

    連続した信号波形を一定の繰り返し周期で標本化し、1と0で量子化しデジタル符号のパルスに符号化する変調方式
    変調速度が高くなると発振波長が変動する「波長チャーピング」が発生するという欠点があります。直接変調方式は、デジタル変調にもアナログ変調にも使用できます。
    光ファイバが長距離になる場合は、途中で中継点を設けて増幅を行う必要があります。従来は、一度電気信号に戻してから再び光信号号に変換する再生中継方式が主流でしたが、現在は光信号をそのまま増幅できる「光ファイバ増幅器(光ファイバアンプ)」に移行しつつあります。
    また、複数の異なる光波長を利用して、波長間の干渉がないようにして1芯の光ファイバに複数の波長の光を伝送する方式を「WDM」といいます。

    光ファイバケーブルの種類と特徴

    光ファイバケーブルは、中心部の屈折率が高い「コア」とそれを取り囲む屈折率の低い「クラッド」で構成されています。

    光ファイバーケーブルには「シングルモード」と「マルチモード」があります。モードというと、ソフト的な設定値のイメージがありますが、光ファイバのモードは製造時に決定されるハード的な仕様のことで、光信号の経路のことを指します。どちらもモードもクラッドの外形は125µmです。

    シングルモード

    単一の光信号が、コア(光ファイバケーブルの中心部)を反射を起こさず一直線に進みます。反射損がないため、マルチモード光ファイバと比べて伝送損失が小さくなり、長距離伝送に向いています。

    マルチモード

    複数の光信号がコアとクラッドの境界線で販社を繰り返しながら進みます。
    ステップインデックス型(SI)とグレーデッドインデックス型(GI)の2種類があります。

    光ファイバケーブルの損失特性

    光ファイバの長所として伝送損失が少ないことがありますが、これはあくまでLANケーブル配線等と比較した場合の話であり、光ファイバといえども伝送損失が発生する要素があります。

    光損失の種類

    レイリー散乱損失

    光ファイバ中の屈折率の揺らぎによって光が散乱するために生じる損失

    吸収損失

    光ファイバ中を伝わる光が光ファイバ自身に吸収されに変換されるために生じる損失

    接続損失

    光ファイバを接続する場合に、軸ずれや分離等によってコア同士が完全に均一に接続されない場合、一方のコアから出た光の一部が他方のコアに入射できず放射されて生じる損失

    マイクロベンディングロス

    光ファイバに側面から不均一な圧力が加わると、光ファイバの軸が曲がることで生じる損失

    構造不均一性による損失

    光ファイバのコアとクラッドの境界面の凹凸により光が乱反射され、光ファイバ外に放射されることにより生じる損失

    光ファイバケーブルの心線接続

    低損失で長距離大容量の伝送が実現できる等メリットの多い光ファイバですが、必ずしもメリットばかりでなく、弱点の一つに接続部の処理があります。簡単な工具で圧着処理ができるLANケーブルと違い、光ファイバの接続は奥が深く専用工具や熟練した技術が必要になります。

    光ファイバの接続技術は、大きく分けると「永久接続」と「着脱可能な接続」に分類されます。

    融着接続

    光ファイバを加熱し融解させて、光ファイバ同士の心線を一体化させる方式

    メカニカルスプライス(機械接続)

    接続部品のV溝に光ファイバを両側から挿入し抑え込んで接続する方法で、抑え部材により光ファイバ同士を固定する方式

    接着接続

    工学接着剤を用いて光ファイバ同士を接着する方式

    光コネクタ接続

    着脱が容易な光コネクタを用いる方式

    光ファイバの伝送特性試験

    光ファイバ伝送の損失を測定するには、下記のような方法があります。

    カットバック法

    入射地と末端地点の2つのパワーを測定する方法

    OTDR法

    光ファイバの片端から光パルスを入射し、その光パルスが反射して帰ってくる光の強度から損失を測定する方法

    挿入損失法

    原理はカットバック法と同様であるが、両端にコネクタがある光ファイバケーブルの測定に適用する方法

    位相法

    波長の異なる複数の光源で各波長における光信号の位相変化量から波長分散値を求める方法


    まとめ

    光ファイバ伝送は、情報通信技術の中で先鋭的な位置を占めています。その高速かつ大容量なデータ転送能力により、現代社会の様々な分野において変革をもたらしています。今後の技術の進化に期待し、光ファイバ通信がますます発展していく未来を予測することは、現代社会における情報インフラの重要性を理解する一助となるでしょう。

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