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2024.4.23(最終更新日:2024.8.5)
<電気通信>IPアドレスとは何か/TCP/IPについて解説
TCP/IPとは?
TCP/IPは、Transmission Control Protocol/Internet Protocolの略で、現在のコンピュータネットワークにおいて最も広く利用されているインターネットプロトコル(インターネット通信する上の取り決めを行なう通信規約)です。コンピュータ同士が通信する際、それぞれ通信するデータの形式や順番、エラーの対処方法などの規格をお互いに把握しておくために利用されています。
TCPとIPの両方のプロトコルを利用することで、ウェブサイトの閲覧は実現します。ひと昔前にネットワークを使用する際にはハードウェアやOSなどが同じだった場合にのみ通信することができ、異なる場合は繋がりませんでした。しかし、TCP/IPの登場によって、機器やOSが異なる場合でも共通のプロトコルを用いることで通信可能になりました。OSI参照モデルとTCP/IPの違い
OSI参照モデルは、国際標準化機構(ISO)によって開発された7つの階層のモデルで、各階層が特定の機能を担当し、上位と下位の階層との間でインターフェースが定義されています。対して、TCP/IPモデルは、アメリカ国防総省によって開発され、その後広く採用されたモデルです。TCP/IPモデルもまた、4つの階層から成り立っています。
層 OSI参照モデル 層 TCP/IP 主な通信機器 7 アプリケーション層 4 アプリケーション層 ゲートウェイ 6 プレゼンテーション層 5 セッション層 4 トランスポート層 3 トランスポート層 3 ネットワーク層 2 インターネット層 ルータ、L3スイッチ 2 データリンク層 1 ネットワークインターフェース層 スイッチングハブ、ブリッジ 1 物理層 リピータ 各層の語呂合わせ(1層から)
OSI参照モデル・・・ブデネトセプア
TCP/IP・・・ ネイトア(トランスポートで合流)TCP/IPモデルとOSI参照モデルは、いずれもネットワーク通信の階層的な構造を定義していますが、直接の対応関係はありません。OSIモデルは一般的な概念として理解されることがありますが、TCP/IPに対して実際のネットワーキングプロトコルとしての普及はあまり進んでいません。
プロトコル「TCP」の特徴
TCPはトランスポート層のプロトコルで、同じ階層のプロトコルUDPに比べてデータは低速ですが、相手側コンピュータとコネクションを確立させてから通信を開始し、通信の途中で送信データが欠落した場合、データの再送信を行う、分割して送信したデータの順番と相手先で受信したデータの順番が違った場合でも元のデータに戻すことができる等、安定的な通信が可能です。
プロトコル「UDP」の特徴
ヘッダに含まれる情報が少なくコネクションレス型で、TCPと比較して信頼性が低いが高速性を実現します。
UDPのヘッダに含まれる情報
①送信元ポート番号
②宛先ポート番号
③セグメント長
④チェックサムプロトコル「IP」の特徴
OSI参照モデルにおいてネットワーク層に位置し、パケット交換方式で経路制御(ルーティング)を行って最適な経路を選択しながら転送するものの、最終的なデータの到達を保証しないベストエフォート型のプロトコルです。
プロトコル「TLS」の特徴
OSI参照モデルのアプリケーション層とトランスポート層の間で暗号化を行うプロトコルで、SSLの後継プロトコルとなります。TLSで暗号化されたWEBサイトのURLは「https」となり、WebサーバとWebブラウザ間の安全な通信のために用いられています。
IPアドレスとは
IPアドレスとは「Internet Protocol Address」の略で、ネットワークに繋がっている機器に割り振られた番号のことを言います。
例えば「192.168.1.1」のような番号が、IPアドレスの一種です。IPアドレスはコンピュータ内部では、32ビットの信号の連なりが2進法で処理されますが、わかりやすくするために8ビット(8桁)ごとに「.」で区切られ、10進法で表記されます。
IPアドレスは、IPアドレスが属するネットワークを識別する「ネットワークアドレス部」とネットワーク内のコンピュータを識別する「ホストアドレス部」があり、32ビットの信号内でその境界線を示す指標のひとつとして、IPv4のIPアドレスには「クラス」があります。
クラス IPアドレスの最初の文字 用途(ネットワークを構成するパソコンの台数) ネットワークアドレス ホストアドレス クラスA 1~126 大規模ネットワーク用(最大約1600万台) 8ビット 24ビット クラスB 128~191 中規模ネットワーク用(最大約65000台) 16ビット 16ビット クラスC 192~223 小規模ネットワーク用(最大254台) 24ビット 8ビット ※クラスDはマルチキャスト、クラスEは実験用
IPアドレスには、グローバルIPアドレスとプライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)との2種類あります。
グローバルIPアドレス
インターネットに接続する際に割り当てられるIPアドレスをグローバルIPアドレスと呼びます。 グローバルIPアドレスはインターネットの世界で唯一である必要があるため、同じアドレスが違うユーザーに割り当てられないよう管理されています。
プライベートIPアドレス(ローカルIPアドレス)
特定のネットワーク内で割り当てられるIPアドレスをプライベートIPアドレスと呼びます。
自宅や社内などの限定されたネットワーク内では、このプライベートIPアドレスが各デバイスに割り当てられ、相互に通信を行います。
プライベートIPアドレスが割り当てられているPCは、ルーターによってプライベートIPアドレスがグローバルIPアドレスへ変換されることで、インターネットへ接続することができます。プライベートIPアドレスはIPアドレスの管理機関への申請なしに自由に使用することができます。ホストアドレス
IPアドレスは、ネットワーク部を示すネットワークアドレスと、どのコンピュータかを示すホストアドレスの2つで構成されています。
サブネットマスク
クラスでネットワークアドレスとホストアドレスの境界線を示す指標のほかに、サブネットマスクで分割するクラスレス方式があります。
サブネットマスクとは、IPアドレスの中で左から何ビット目までがネットワークアドレスに該当するかを示します。
2進数で表現したサブネットマスクの「1」の部分が「ネットワークアドレス」、「0」の部分が「ホストアドレス」になります。
(問題)IPアドレス 「192.168.3.248」、サブネットマスク「255.255.255.224」の端末のホストアドレスは何でしょうか?(解答の手順)
①IPアドレスを2進数へ変換する。
「192.168.3.248」は、「11000000.10101000.00000011.11111000」になる。
②サブネットを2進数へ変換する。
「255.255.255.224」は、「11111111.11111111.11111111.11111111.11100000」になる。
③2進数で表現したサブネットマスクの「1」の部分が「ネットワークアドレス」、「0」の部分が「ホストアドレス」になるため、「11111111.11111111.11111111.11111111.11100000」では、先頭から27ビット目までがネットワークアドレスで、最後から5ビットがホストアドレスになる。
④「192.168.3.248」=「11000000.10101000.00000011.11111000」の最後から5ビットは、「11000」で、これを10進数へ変換する。
(解答)24
IPv6アドレス
32ビットのIPv4アドレスが枯渇しつつあるため、アドレス長を128ビットに拡張したIPv6アドレスへの切り替えが進んでいます。IPv6のグローバルユニキャストアドレスはインターネット通信や組織内での通信に利用され、IPv6ヘッダのヘッダ長は40オクテットの固定長、ホスト部のIPアドレスはMACアドレスを基に自動的に設定が可能です。
IPv6アドレス表記方法
IPv6はRFC5952で仕様化されています。
RFC5952テキスト表記で推奨されているルール
①0は削除するが、但しオール0の場合は一つだけ残す。
②0が連続する場合は、「::」を用いて可能な限り短縮する。但し「::」の配置で、最も長い連続を短くする。
(問題)IPv6アドレスをRFC5952で規定されているIPアドレス表記法で記述しなさい。
「0192:0000:0000:0000:0001:0000:0000:0001」
①但しオール0の場合は一つだけ残しそれ以外は削除する。
→「192:0:0:0:1:0:0:1」
②最も長い0の連続を「::」にする。
(解答)「192::1:0:0:1」
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