トピックス
-
2025.4.16(最終更新日:2025.4.17)
<施工管理>学習しよう、土木工事
ここでは、電気・電気通信工事施工管理技士試験にも出題される、「土木関係」について解説します。
電気・電気通信工事施工管理技士は国土交通大臣の指定機関が実施する国家試験の合格者に与えられる国家資格です。電気・電気通信工事施工管理技士には、工事の現場で施工計画・工程管理・安全管理・技術者の監督など電気通信工事の施工管理に関わる幅広い知識が求められます。
測量
土木工事において、測量は非常に重要な基礎的な工程です。
測量には、水準測量・三角測量・平板測量・トラバース測量等の方法があります。ここでは、水準測量の特徴について学習します。水準測量
「標尺」や「レベル」と呼ばれる器械を使用して、地表面の高さや傾斜を測定する方法で、土地の形状や高さを把握するのに適しています。
水準測量の基準となる点=水準点(ベンチマーク)
・水準原点:日本の陸地の高さの基準となる点
・基準面:ある点の高さを表す基準となる水準面
・前視:未知点に立てた標尺の読み
・後視:既知点に立てた標尺の読み
・中間点:必要な点の標高を求めるため、標尺をたてて 前視のみ読み取る点土留め
土留めは、「つちどめ」では「どどめ」と読み、土が低い土地に崩れてこないように止めることを言い、土砂崩れや地盤の沈下等を防ぎ、土地の安全性を確保するために重要な土木工事となります。
主な土留め工法は、次のようなものがあります。切梁式土留め工法(きりばりしきどどめこうほう)
切梁式土留め工法とは、掘削された地盤の土圧を支えるために切梁と呼ばれる水平部材を使用する土留め工法です。
・中間杭は、切梁を支えるため垂直に設ける
・切梁は、腹起しを支えるため水平に設ける
・腹起しは山留め壁を指示するため水平に設ける
・親杭は、横矢板に作用する土圧を直接指示するため垂直に設ける鋼矢板工法(こうやいたこうほう)
鋼矢板工法とは、鋼製の矢板を壁のように並べて地中に打ち込み、土留めや水の締切りを行う工法で、シーパイル工法とも呼ばれます。遮水性がよく、掘削底面以下の根入れ部分の連続性が保たれるため、地下水位の高い地盤や軟弱な地盤に用いられます。
鋼矢板工法の種類
・プレボーリング工法
・振動工法
・圧入工法建築機械
土木作業には、さまざまな建設機械が使用されます。作業の種類にあった機械を効率的に使用することが重要です。
建設作業 建設機械 掘る バックホウ/スクレーパ 運ぶ ブルドーザ/スクレーパ 整地する ブルドーザ/モータグレーダ 締め固める ロードローラ/ランマ/振動コンパクタ 岩を削る ブレーカ スクレーパは、1台で掘削、積込み、運搬、捨土、敷きならしといった一連の土工作業を行うことができます。(締め固めはできない)
締め固めの効果
・ロードローラ、ランマ、振動コンパクタ等で締め固めた土は、
・透水性が小さくなる
・せん断強度(平行にずらす力)を大きくする
・荷重に対する土の支持力を増加させる
・水の侵入による南下や膨張を防ぐ(圧縮性が小さくなる)コンクリートの施工
コンクリートは、セメント、水、細骨材、粗骨材、混和材料等を混ぜて硬化させた複合材料で、建築や土木構造物等に広く使用されています。使用骨材によって、普通コンクリートと鉄筋コンクリートに分類されます。
コンクリートが固まり始まる段階では、表面を十分に湿潤した状態で、温度を10~25℃に保ち、風から露出面を保護することが重要です。また、コンクリート打設後の養生期間は、強度を増加させるため長い方が良いとされています。
コンクリートは、複合や施工の誤りにより、空洞や、豆板(ジャンカ)と呼ばれる不均質部分、コールドジョイントと呼ばれる不連続面が発生する等の欠陥を生じることがあります。コンクリートの特徴
コンクリートには、以下のような特徴があります。特徴を理解して正しい施工基準で施工することが重要です。
・コンクリートの柔らかさを表す指標を「スランプ」といい、スランプが大きいほど柔らかく、流動性が大きくなる。
・スランプが過大になると、粗骨材の分離やブリーディングが生じやすい。
・圧縮強度が引張強度に比べて大きい。
・水セメント比(水分量)が小さいほど、圧縮強度は大きくなる。
・腐食しないので、土や水のある場所にも使用できる。
・不燃材料であり耐久性がある。
・コンクリートのアルカリ性は、鉄筋の錆を防止するが、空気中の二酸化炭素により、コンクリートのアルカリ性は表面から失われ中性化していく。鉄筋コンクリート構造の特徴
鉄筋コンクリート構造とは、RC造とも呼ばれ、鉄筋とコンクリートを組み合わせて柱や梁などの骨格部分を造った建築構造です。耐久性や耐震性に優れ、耐火性も高いことから、マンションや一般住宅など幅広い建物に使用されています。
鉄筋コンクリート造には溶接工事が伴いますが、誤った溶接方法や材料を使用することで、オーバーラップ、アンダーカット、ブローホールと呼ばれる溶接欠陥が生じることがあります。・鉄筋の種類の記号は、丸鋼をSR、異形鉄筋をSDで示す。
・温度変化によるコンクリートと鉄筋の線膨張係数は、ほぼ等しい。
・コンクリート内での鉄筋の滑りを防ぎ、定着効果を高めるために鉄筋端部分にフックを設ける。
・鉄筋のかぶり厚さ(鉄筋表面~コンクリート表面の最短距離)は、耐久性・耐火性に大きく影響する。