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  • 2024.3.3(最終更新日:2024.3.5)

    無線LANについて/暗号化と規格について解説

    今日では、無線LANは生活に欠かせない通信インフラとなっています。有線LANに比べて便利である一方、多数のユーザーが同時に運用する場合の通信路の錯そうや、データの盗聴や不正侵入といったセキュリティ面の対策が必要になります。これらの被害を防ぐための仕組みが「暗号化」と「認証」です。

    無線LANの暗号化

    WEP方式

    初期のアルゴリズムRC4を使った暗号化方式で、ほかの方式と比べて脆弱性がある

    WPA方式

    暗号化のためのプロトコルにTKIPを採用していて、動的に暗号鍵を変更できる
    暗号化アルゴリズムRC4を使用している

    WPA2方式

    複数の暗号化アルゴリズムを選択でき、主にAESが使われる
    暗号化方式はCCMPを採用している

    無線LAN暗号化アルゴリズムと方式の語呂合わせ(暗号化方式/アルゴリズム/プロトコル)

    ・ウェップ!RCサクセション!(WEP/RC4)
    ・ウェイパーもRCサクセションだけどTKIP!(WAP/RC4/TKIP)
    ・新ウェイパーはエース!コックマップ(WEP2/AES/CCMP)

    無線LANの規格

    無線LANは、使用する周波数帯や変調方式等の違いによってさまざまな規格が存在し進化しています。アクセスポイントと端末で規格が一致しなければ通信はできませんが、複数の規格に対応していることが一般的です。

    規格 最大伝送速度 周波数帯 主な技術
    IEEE802.11 11Mbps 2.4GHz CKK
    a 54Mbps 5GHz ODFM
    g 2.4GHz ODFM
    n 600Mbps 2.4GHz/5GHz OFDM、MIMO、チャネルボンディング
    ac 6.9Gbps 5GHz OFDM、MIMO
    ad 6.7Gbps 60GHz 4種のPHYモード
    ax 9.6Gbps 2.4GHz/5GHz OFDM、MU-MINO、WPA3、チャネルボンディング
    無線LAN規格の覚え方(語呂合わせ)

    バッグ(bag)無くして(nac)してデラックス(dx)の順で、11、54、54、600、6.9 6.7 9.6
    美人(bgn)24歳、アーク(aac)5歳、ナックス(nax)は両方、AD(ad)は60歳

    無線LANで使用できる周波数帯域は、以前は2.4GHz帯と5.0GHz帯の2種でしたが、近年になり60GHzを用いる規格が登場しました。ISMバンド(産業科学医療用周波数帯)等ほかのシステムとの干渉を避けるために、2.4GHz帯のISMバンドを使用する無線LANでは、「スペクトル拡散変調方式」が用いられて、CDM(符号分割多重)を行っています。逆に5GHz帯では干渉問題は発生しません。
    有線LANと異なり無線LANではほかの無線端末からの送信データと重なったことを検知することが難しいため、CSMA/CA方式により送信データの制御を行っています。

    無線LANの通信方式

    CDM方式

    Code Division Multiplexingの略で、符号分割多重を意味します。複数の通信信号を同時に送信するための技術で、OFDM方式の前身です。

    CDM方式は、スペクトル拡散変調を行い、さらに2つの方式に分類されます。

    ①周波数ホッピング(FHSS)

    通信中に短い時間間隔で周波数を変える方式で、送信・受信側とで変更パターンを把握していないと正常に通信ができず、把握していない第三者に対して秘匿性が高まる利点があります。

    ②直接拡散(DSSS)

    PN符号を用いて広い周波数帯に拡散する方式で、送信・受信とで同じPN符号を持っていないと正常に通信ができず、持っていない第三者に対して秘匿性が高まる利点があります。

    OFDM方式

    直行周波数分割多重方式を意味し、免許されている周波数(キャリア)をさらに細かいサブキャリアに分け、その1本1本を各ユーザーに割り当てます。複数のキャリアを用いることから「マルチキャリア」と呼ばれます。

    CSMA/CA方式

    同一のチャネルに複数のユーザーがアクセスする際の競合を回避する方式(競合を「検知する」方式を、CSMA/CD方式という)
    データが正常に送信できたか送信側では検知ができず、受信側からの肯定応答信号で判断する。肯定応答信号が変身されない場合はデータを再送信する。
    他の端末が無線伝送路を使用している場合は、空いたことを確認してからランダムな時間待機後に送信を始める。


    無線LANの規格とセキュリティは、現代のデジタルライフにおいて不可欠な要素です。高速で信頼性のある通信を提供する規格と暗号化によってセキュリティを確保することが重要です。ユーザーは最新の規格にアップグレードし、最も強固なセキュリティプロトコルを選択することで、快適で安全な無線LAN利用が可能となります。

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