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  • 2025.12.16(最終更新日:2025.12.16)

    <導入事例>太陽光発電所の設備盗難対策カメラ


    太陽光発電所を取り巻く盗難被害の現状

    近年、再生可能エネルギーの普及が進む一方で、太陽光発電所を取り巻く環境では、盗難リスクが高まっています。その代表例が、全国的に増加している「金属盗」です。

    警察庁の統計によると、金属盗の認知件数は統計開始の2020年以降、毎年増加し、2024年(令和6年)には全国で 20,701件 に上っています(※1)。
    また、金属盗の被害品目を見ると、令和5年では50%以上が金属ケーブルであることが分かります。加えて、同資料の別の項目では、金属類被害に係る窃盗事件のうち、太陽光発電施設の被害割合は令和5年に32.9%、令和6年6月末時点で38.7%と高い割合を占めていると報告されています(※2)。

    さらに、一般社団法人日本損害保険協会の調査(※3)でも、太陽光設備の盗難による保険金支払額は年々増加傾向にあります。

    無人で広大な敷地を持つ太陽光発電所が、窃盗の標的になりやすい実態が浮き彫りとなっています。
    こうした状況を踏まえ、現地の状況を“見える化”し、設備を守る手段として、監視カメラシステムの導入が急務となっています。

    求められるセキュリティ対策

    太陽光発電所では、広大な敷地・無人管理・夜間の暗闇といった環境特性が、盗難被害発生のリスクを高めています。さらに、人の目が届きにくいため、被害の発見が遅れ、復旧までの停電・売電停止による損失が大きくなる点も課題として挙げられます。

    こうした状況下では、以下の3点を満たす防犯対策が求められます。

    1.侵入の早期発見

    従来の人によるパトロールや定期巡回だけでは、発生した瞬間を捉えることが難しく、侵入されてから気づく“事後対応”になりがちです。
    そのため、
    ・敷地への侵入をAIで検知
    ・夜間でも人の動きを捉える
    ・遠隔地からリアルタイムで確認
    といった“即効性のある監視体制”が対策として有効です。

    2.被害の拡大を防ぐ行動

    現場が無人である以上、「異常を検知→通知→対処」がスムーズに繋がる仕組みが必要です。
    たとえば、
    ・PCやスマートフォンへリアルタイム通知
    ・サイレンやライト点灯などの威嚇
    など、迅速に行動へつながる仕組みが重要になります。

    3.証拠を確実に残し、再発防止に活かす

    盗難被害が発生した際には、
    ・発生状況の把握
    ・犯人特定の手がかり
    ・再発防止策の検討
    に役立つ映像記録が欠かせません。
    夜間でも顔・車両・動線を識別できる記録性能が重要です。

    こうした背景から太陽光発電所には、
    「無人の現場を遠隔で常時見守り、侵入検知・威嚇・記録を一体で行える監視システム」が必須となっています。

    盗難対策カメラの紹介

    こうした防犯ニーズに応えるため、実際に太陽光発電所に導入された監視カメラシステムをご紹介します。

    ■PTZカメラ

    ・解像度2MP/4MP/5MP/8MP画質をラインナップ
    ・光学ズーム23倍/30倍/36倍/42倍に対応
    ・撮影ポジションを最大300カ所設定可能
    ・自動パトロール機能、自動追尾機能を搭載
    ・保護等級:IP66
    (※オプションでIK10、耐塩仕様に変更可能)
    ・AI機能搭載

    ■筒型カメラ(Standardシリーズ)

    ・解像度2MP/4MP/5MP/6MP/8MP画質をラインナップ
    ・電動ズーム&フォーカスレンズを搭載
    ・保護等級:IP67
    ・AI機能搭載

    ■レーザースキャンセンサー
    製品供給元:オプテックス株式会社

    ・人や物体をレーザーにより検知
    ・警戒対象エリアを「垂直面・水平面」で監視
    ・検知エリア縦:最大50m、横:最大100mをカバー
    ・保護等級:IP66

    導入実績と活用例

    出入り口の監視を目的に、画角が固定された筒型カメラを設置しました。

    固定カメラは常に一定方向を撮影できるため、重点的に監視したいエリアを確実に捉えることができます。



    広範囲をカバーするため、旋回・ズームが可能なPTZカメラを設置し、夜間や無人時の侵入対策として、警報スピーカーと回転灯も導入しました。

    この組み合わせにより、
    「検知 → 確認 → 威嚇」を無人で完結できる体制が整い、侵入リスクを大幅に抑制しています。

    フェンス沿いおよび、太陽光パネル群と道路の境界にレーザースキャンセンサーを設置しました。

    レーザーによるバーチャルフェンスを形成し、検知ラインの越境を確実に捉えることで、敷地への侵入を即時に把握できる体制を整えています。

    太陽光発電所の防犯対策は、設備の安定稼働と長期的な資産保全に欠かせません。
    また、同様の課題を抱える各種屋外設備や無人施設においても、監視カメラシステムは有効な対策となります。
    お客様の設備環境やご要望に合わせて、最適な監視カメラシステムをご提案いたしますので、
    防犯対策の見直しや導入をご検討の際は、ぜひお気軽にご相談ください。

    【参考資料】
    ※1出展:警視庁「令和6年の犯罪情勢」
    ※2出展:警視庁「第1回 金属盗対策に関する検討会 資料」
    ※3出展:一般社団法人日本損害保険協会「太陽光発電設備向け火災保険(企業向け)の事故発生状況等に関する調査研究結果」